たった23年でトップから最下位…G7で“日本だけ”が経済成長できない「2つの理由」
日本経済が停滞した理由(1)
その1つの理由は、為替レートにある。
2010年ごろの時点で、日本の1人当たりGDPが高くなっているのは、この時期に円高が進んだからだ。そして、最近の時点で米国の1人当たりGDPが急に伸びているのは、ドル高が進んだことによる影響が大きい。
2000年からの期間全体を見ても、図3に見るように、円はドルに対して減価している。
したがって、為替レートの影響によって、ドルベースで見た日本の成長率が低くなっていることは間違いない。
日本経済が停滞した理由(2)
ただ、原因はそれだけではない。自国通貨建てで見ても、日本の成長率は低いのだ(図4)。
これは、日本で人口の高齢化が進んでいるために、労働力の伸び率が低いからだろうか。日本の労働力の成長率が低いのは事実だ。それは、経済全体の成長率には大きな影響を与える。しかし、ここで考えているのは1人当たりGDPの数字であるため、労働力の伸び率が低いことの影響は緩和されている。
実際、韓国の出生率は日本よりずっと低く、労働力の伸び率も低い。それにもかかわらず経済成長率は高い。それでも日本の成長率が低いのは技術が進歩せず、企業改革、産業構造改革が進まないからだ。
これは、さまざまな指標で見ることができる。たとえば、企業の時価総額ランキングだ。1995年のランキングを見ると、NTTが世界第2位、トヨタ自動車が第8位だった(内閣府の資料より)。2005年でも、トヨタは第9位だ。
ところが、現在では、ランキングのトップ10位までに日本企業は現れない。前回も見たように、時価総額で日本のトップであるトヨタ自動車は52位だ(Largest Companies by Market Capより、2023年5月15日時点)。アジアでのトップは台湾の半導体製造会社TSMCであり、世界第14位となっている。そしてアジアの第2位は韓国のサムスン電子であり、世界第24位だ。
スイスIMD(国際経営開発研究所)による「世界競争力ランキング」を見ても、2000年ごろに世界のトップにあった日本が、2022年6月に公表されたランキングでは、63カ国・地域中で第34位に落ち込んでいる。このように、日本の成長率が低い基本的な理由は、日本で技術進歩や産業構造の改革が行われていないことだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/72df91743d1d3f0ec6b2a...
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