おとなのメス「ホワイトグラディス」が発端か、イベリア半島沖
ニシンを狩るシャチの群れ。シャチは高度なコミュニケーション能力と社会的能力を持っているため、イベリア半島沖で頻発する船への攻撃は
シャチが計画的に行っていると考える専門家もいる。(PHOTOGRAPH BY PAUL NICKLEN)
高い知能と優れた狩りの技術で知られるシャチ。その巧みな技でホホジロザメをひっくり返し、仲間と力を合わせて大型のクジラさえ仕留める。
そして3年ほど前から注目を集めているのが、イベリア半島沖で暮らすシャチの群れだ。小型船を攻撃し、時には沈没させることから、
地域の船乗りたちを恐怖に陥れている。
記録に残る最初の攻撃は2020年5月にジブラルタル海峡で起きた。以来、数十件の事例が報告されているが、その内容は驚くほど似通っている。
たいていは、数頭のシャチの群れが小型のヨットの舵(かじ)を攻撃し、泳ぎ去るというものだ。
2022年の6月と11月には2隻の船が沈没した。2023年5月にはひどく破壊された船が、岸に曳航される途中で沈没している。
シャチの攻撃はなぜ始まったか
学術誌「Marine Mammal Science」の2022年10月号に掲載された論文によると、攻撃に関わっているのは、2つのグループに分かれる9頭のシャチ。
ひとつは3頭から4頭の若いシャチからなるグループで、もうひとつは「ホワイトグラディス」と名付けられたおとなのメスが率いる、さまざまな年齢の
シャチによるグループだ。9頭の中でホワイトグラディスだけがおとなのメスであることから、彼女はかつて船との事故に巻き込まれた経験から報復行動を
起こしていて、若いシャチたちは彼女の行動をまねているのだろうと、論文の著者らは推測している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d279a0a3742e52c11ab2c...
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