埼玉県蕨市の郵便局に80代の男が拳銃を持って立てこもった事件。
現場を取り囲む警察官が持っていたものがSNSで話題になりました。
実はこの製品、過去のある事件がきっかけで開発されたものでした。
およそ8時間にわたった立てこもり。
現場を取り囲む警察官のうち何人かが、オレンジ色のタンクのようなものを抱えている様子がニュースで流れると、SNSでは、「この消火器っぽいやつ何?」などと話題になりました。
実はこの製品、東京・北区の消火器や消防車などを販売している会社が、3年前に開発したものです。
消火器は火が出た後に消すために使いますが、この製品が使われるのは、火が出る前。
タンクの中には特殊な消火剤が入っていて、スプレーを噴射するとガソリンなどの可燃性の液体の表面を瞬時に覆い、火が広がるのを防ぐといいます。
実験映像には、短時間で泡状のものが広がり、火を防ぐ様子が映っています。
開発のきっかけは4年前に起きた「京都アニメーション」の放火事件。
スタジオにガソリンがまかれて、火がつけられ36人が死亡したニュースを見て火が広がる前に防げないかと開発を進めてきたといいます。
31日の郵便局での立てこもりは、幸い火災は起きませんでしたが、男は拳銃のほかにも、液体が入った容器やペットボトルを持っていて、事件前には「自宅アパートを放火した」などと供述しています。
日本ドライケミカル 大木健二 技術本部長
「京都アニメーションの事件を受けて、本気でメーカーが取り組まないといけないと、試作を繰り返してきた。ガソリンなどの可燃性の液体がまかれると、火が一気に燃え上がるので、消火器ではなかなか抑えることができない。きのうの立てこもりでは火事が起きなかったようで非常に安心している」
会社によりますと、事件や事故、テロ対策などのため、消防や警察が購入することが多いということですが、ほかにも、出入り口が1か所しかない飲食店などからの問い合わせもあるといいます。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231101/k1001424426...
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