薬はない、「やめろ」と言っても意味はない、
借金肩代わりはNG
どうしたらいい?ギャンブル依存症
https://mainichi.jp/premier/health/articles/202403... 国立病院機構久里浜医療センター:松下幸生院長
◆ギャンブル好きな人とギャンブル依存症の差は何なのでしょうか。
実生活に影響が出るかどうかが、大きな違いです。
社会生活や家庭生活に影響が出ることがなければ、ただのギャンブル好きで、依存症ではありません。
顕著なのは借金ですね。依存症の方は、自分が払える以上のお金をギャンブルに使ってしまいます。
病気としての診断基準は九つあります。
・だんだん賭けるお金が増えていく
・やめよう、減らそうとしてもできない
・ギャンブルをしないでいると落ち着かない、イライラする
・ギャンブルのことを考えている時間が長い
・ギャンブルで負けたお金をギャンブルで取り返そうとする(負けの深追い)
・気持ちが沈んだときに気分転換のためにギャンブルをする
・ギャンブルをしていることを隠す、そのためにウソをつく
・社会生活や家庭生活に悪影響が出ている
・ギャンブルのために借金をする
このうち四つ以上あてはまれば、ギャンブル障害・
ギャンブル依存症と診断できることになっています。
◆まわりが借金を肩代わりするのはいけないのでしょうか。
はい。肩代わりしないのが原則です。借金を肩代わりするということは、
本人がギャンブルをしやすくすることにつながります。
ギャンブル依存症には薬がありません。
具体的には、ギャンブル依存の人の考え方を修正していく「認知療法」、
生活や行動を変えることでギャンブルから離れる「行動療法」を行います。
認知療法ですが、ギャンブル依存の人はギャンブルに対して、偏りのある独特の考えを持っています。
例えば、負けが続くと勝ちが近いと感じる▽ギャンブルで負けたのに、資金を得るために借金して、
勝って返せばいいと考える▽勝った時のことはよく覚えているけれど、負けた時のことは覚えていない
――などです。こうした考え方について「冷静に考えると、常識と外れたような考え方ではないか」と、
最終的にはご自身で考え、気付いていただきます。「行動療法」というのは、例えば、パチンコ依存の人で
あったら、パチンコ屋さんのそばを通らないようにする、というのがわかりやすいかと思います。
また、ギャンブルをやめるだけでなく、ギャンブルの代わりになる行動を見つける「代替行動」も、
おすすめしています。例えば、体を動かすという方もいらっしゃいますし、お料理がギャンブルの
代わりになったという男性もいらっしゃいます。
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