https://news.yahoo.co.jp/articles/7e0e72c0bf44c1e19b5e3... 警察の留置施設で勾留された容疑者が、胸を覆う下着を着用できない「ノーブラ」状態での取
り調べを余儀なくされていた問題で、京都府警など近畿2府4県の全ての警察が5月末までに容
疑者へ、シャツにブラカップを縫い付けた「ブラトップ」の無償貸与を始めたことが分かった。
有識者は「刑が決まっていない人の人権保障を考える上で前進」と評価している。
■京都府警への抗議 全国に波及
取り調べの際の「ノーブラ」問題は、2023年10月に京都府警で女性容疑者の弁護人が抗議の
声を上げて顕在化。警察庁が12月、人権上の配慮からブラトップ着用を促す初の通達を全国の
警察に発出する事態に発展していた。この中で警察庁は「可能な場合には、貸与品の対象衣類と
して導入すること」を求めていた。
発端となった京都府警は、抗議を受けた後に着用は認めていたが、別の女性容疑者の弁護人が
24年2月に無償貸与の早急な導入を申し入れていた。3月、府警は女性専用の留置施設がある四
つの警察署で無償貸与の新制度を開始したという。理由について、府警留置管理課は「通達を
踏まえた」とした。
■5月末までに近畿の全ての警察が導入
近畿2府4県で無償貸与を最も早く始めたのは、23年12月の奈良県警。容疑者側からの要望を
きっかけに決めたという。その後、滋賀県警、大阪府警が続いた。通達を受けて24年3月には
和歌山県警、京都府警でも導入し、5月上旬に兵庫県警が貸し出すようになった。
■「人権配慮」共通も、姿勢に温度差
各府県警の担当者は京都新聞社の取材に対し、「全ての女性容疑者に配慮できるようにした」
(滋賀)、「組織内では議論になっていなかった」(和歌山)、「実際に借りる人が多いかどう
かは分からない」(兵庫)などと語り、一様に「人権配慮」を掲げながらも、それぞれの姿勢に
は温度差が浮き彫りになった。
立命館大法学部の森久智江教授は「貸与の広がりは前進」と評価しながらも、「各警察には、
これまで不必要に権利を制約していたことを、主体的に振り返る真摯な姿勢を求めたい」と語った。
返信する