陰謀論や疑似科学の信奉者には、どのような特徴が見出されるだろうか。
ここでは典型的な特徴として、次の3つ挙げて説明したい。
(1)確証バイアスに陥っている
(2)懐疑的な思考をほとんど行わない
(3)妙な自信にあふれている
●その1 確証バイアスに陥っている
まず(1)に出てくる「確証バイアス」とは、自分いま信じていることや
信じたいことについては、それが当てはまっているケースにばかりに目を向けて、
それが正しくないことを示すケースは無視してしまう、という傾向のことをいう。
仮説や理論の正しさを確かめることが「確証」だが、「バイアス」という名が
示す通り、「うん、やっぱりこの説は正しいんだ」と、自分の信念を自分で
強化する方向に突き進む、思考のバグのようなものだ。
陰謀論や疑似科学の信奉者は、この確証バイアスに陥っていることが少なくなく、
科学的な妥当性の点でもっと優れた理論や説明がほかに存在していても、
端的に無視してしまいがちになる。
9.11同時多発テロ事件では、世界貿易センタービルの崩壊は
飛行機の衝突で十分に説明がつくのに、それには聞く耳をもたず、
「政府があらかじめ爆弾を仕掛けていた」という陰謀論に固執するのだ。
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