●“女性らしさは筋肉が決定する”
森 弘子(ディフィットネス東京大会4連覇、関東オープン・フィットネスビキニ163cm超級優勝):
第1回の対談では“女性らしさ・男性らしさを決めるのは骨から筋肉です。
脂肪ではありません”ということを先生がおっしゃっていて、
それが読者の皆さんに強いインパクトを与えたという報告をもらっています。
筋肉と女性らしさが紐付くことに驚きを持つほど、一般的にはボディメイクに対する
理解は低かったと思います。
じゃあ、今はみんなが正しい情報を共有できているかというと、
ちょっと心配な側面もあるかなと思います。
そこで、女性の筋トレブームの今だからこそ、改めて“女性らしさは筋肉が決定する”
ということを先生からご教示いただきたいと思います。
石井 直方(東京大学大学院教授、理学博士):
人の体から筋肉と脂肪をそぎ落として骨だけにすると、解剖学者でもない限り
男性か女性か分からないかもしれませんね。
骨の上に筋肉が乗って、その上に脂肪がついて肌で覆うことで性別の違いが
明確になります。
体の形を決める上で筋肉はとても大きな役割をしています。
森:
これは以前も教えていただきましたが、上半身、特に肩周辺は女性より男性の方が
テストステロンの受容体が多いため、女性がどんなにトレーニングを頑張っても
逆三角形の男性的なアウトラインにはなりにくいと。
石井:
そうですね。それでも、例えば女性であってもレスリングの選手などは、
凄まじいトレーニングをして上半身を大きく強くするわけです。
それは一般的に女性が発達しにくい部位を意識的に強くすることで、
トップレベルの競技で勝てるアスリートになるというわけです。
森:
ヒップや足に関しては、女性も男性と匹敵するぐらい鍛えられるものなのですか?
石井:
上半身よりは男性に迫ることができると考えられます。
男性の8割か9割、それぐらいまでは行くと思います。
これはトレーニングだけではなく、スポーツの場面でも言えます。
例えばスピードスケートの女子選手の太ももやお尻は、男性顔負けなくらい
たくましく発達していますね。
下半身に関しては男女でそんなに大きな差はありません。
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