●陰謀論にハマった人の末路
――確かに、そうやってつながれると抜け出しづらくなりそうです。
益田 そう。だからこそ、ハマってしまうと抜けにくい。
そして、そういう人たちはマルチ商法に勧誘されたり、宗教に取り込まれたりもしやすい。
宗教も最初は良くても、途中からは無償労働がどんどん増えたりして、問題が大きくなっていくことが多い。
陰謀論にハマる人って、「スピリチュアルに傾きやすい」傾向もあるんですよ。
幽霊を信じやすいとか。
ちょっと妄想的になりやすい体質の人たちもいて、精神科ではそれを「精神病性機能」といったりもします。
これは特定の人だけでなく、世の中の多くの人にあるある機能です。
その程度が大きい人もいれば、小さい人もいる。
でもそれって、ある種の才能というか、感受性の強さでもあるんです。
芸術的なセンスとして表れることもあるので、完全に悪いこととも言えない。
ただ、「情報をどう扱うか」のバランスが大事なんですよ。
そういう人たちって、人間的には面白いけど、情報の取り込み方が偏ってしまうと危ない。
――陰謀論にハマらないようにするためには、どうしたらいいんでしょうか?
益田 孤立しないことです。そして、「世の中は複雑だ」という前提に立つこと。
全能なるものは存在しないし、分からないことを分からないまま受け入れる「無知の知」の姿勢が大事ですね。
あとは、なんでも白黒はっきりつけようとしないこと。
「こうに違いない」と決めつけるんじゃなくて、「もしかしたら違うかもしれない」と思える柔軟さ。
それが、陰謀論に限らず、いろんなトラブルから自分を守ってくれると思います。
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