猫と警備員、黒猫ケンちゃんが天国へ
「今でもあの角から来そうで」
美術館に入ろうとする猫と、防ごうとする警備員さんの
やりとりで話題になってきた尾道市立美術館。
今年9月、主役の黒猫・ケンちゃんが息を引き取りました。
長年にわたって攻防を繰り広げてきた警備員さんは
「今でもあの角からやって来るように思うんよぉ」とつぶやきました。
近くのレストランで飼われているケンちゃんが、最初に注目を集めたのは2017年3月。
開催中だった「猫まみれ展」の会場に入ろうとして、警備員の馬屋原定雄さんに
阻止される様子がツイッターで紹介されたのがきっかけでした。
その後も「猫と警備員の攻防」としてたびたび話題になりましたが、
侵入を試みるのは警備員が馬屋原さんの時がほとんど。
馬屋原さんが来るのは年4回の特別展の時だけなので、そのたびに美術館職員は
攻防戦を期待してカメラを構えていました。
最後の攻防戦となったのが昨年4月18日。
館内に侵入したケンちゃんですが、数メートル進んだところで自らストップ。
馬屋原さんにつかまった後、レストランへと連行されました。
「美術館に入りたいんじゃなくて、馬屋原さんに遊んでほしいんだろうな、
と思いながらいつも見ていました」そう話すのは、約7年にわたって攻防戦を
見守ってきた美術館職員です。
今年に入ってから病気療養していて、外に出ることはほとんどありませんでした。
懸命の治療が続きましたが9月下旬、息を引き取ったそうです。
飼い主さんはSNSを利用していないため、美術館のXを通じて11月11日に
ケンちゃんが旅立ったことを公表。
この日は、ケンちゃんが飼い猫となった記念日でした。
長年にわたってケンちゃんと攻防戦を繰り広げてきた馬屋原さん。
現在、秋の特別展が開催中で、いつものように受付横で警備しながら、
職員に対してこうつぶやいたそうです。
「今でも、ケンちゃんがあの角からやって来るように思うんよぉ」
そして、職員を通じて、ケンちゃんへのコメントを寄せてくださいました。
「犬を飼っていますが、こんなに懐いてくれた猫はケンちゃんが初めてでした。
たくさんの思い出を『ありがとう』と伝えたいです」
https://withnews.jp/article/f0251111002qq000000000...
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