人間の耳は意外と壊れやすく元に戻らない…
耳鼻科医が「これだけはやめて」というイヤホンの使い方
いまや音楽や動画、ゲームなどを楽しむときだけでなく、オンライン会議
などでもよく使うイヤホンやヘッドホン。耳鼻科医の音良林太郎さんは
「今、若くても難聴になる人が増えている。音楽や動画、映画、ゲームなどを
楽しむのはよいが、イヤホンなどの使い方には注意が必要だ」という。
ライブ会場の音量は平均で100dB以上、スピーカー近くでは120dBに
達することも。これは労働安全衛生法では「騒音職場」として扱われる
レベルで、工場や建設現場で働く作業者には防音保護具の着用が義務付け
られる音量です。
ライブ会場の平均音量は100dBで、スピーカー近くでは120dBです。
映画館もピーク時には110dB前後に達することがあります。地下鉄車内は
約80dB程度ですが、その騒音の中で音楽を聴こうとすれば、簡単に90dBを
超えてしまいます。カラオケも、盛り上がってくると100dBを超えることがあります。
現代のイヤホンやヘッドホンは、耳にとって危険ゾーンである100dB以上の
音を簡単に出力できます。そのため知らず知らずのうちに耳に大音量を
浴びせ続けてしまい、WHOが警告している「イヤホン難聴」になる恐れがあります。
イヤホン難聴は、ライブ難聴と同じく感音性難聴の一種。WHOの試算によれば、
12〜35歳の約半数、つまり全世界で10億人以上の若者が、将来的な難聴の
リスクにさらされているといいます。
大音量は細胞内の発電所ともいえるミトコンドリアを損傷させたり、
活性酸素種を大量発生させて炎症を起こしたり、内耳の血管を収縮させて
血流を悪化させたりすることによって細胞を死滅させます。
一度死んでしまった細胞は、二度と生き返りません。
もしも、「ライブの後、耳が詰まった感じがする」「キーンという耳鳴りが止まらない」
といった症状が「寝ても治らない」のであれば、できるだけ早く耳鼻咽喉科を
受診してください。
突発性難聴(原因不明の急性感音難聴)の場合、自然回復率が30〜60%程度あると
されています。しかし、騒音性難聴は物理的な損傷であるため、自然回復の可能性は
さらに限られます。だからこそ予防が何よりも重要なのです。
https://president.jp/articles/-/10557...
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