1. 2000年かかった3つの主因
材料技術の成熟(EVAフォーム)
クロックスの最大の特徴は「クロスライト(Croslite™)」という閉鎖細胞樹脂(EVA樹脂の一種)です。この材料は、非常に軽量で、
弾力性があり、なおかつ温めると足の形にフィットする特殊なポリマーです。この技術は、20世紀後半の石油化学産業の発展を待つ
必要がありました。
射出成形技術の進化
樹脂を金型に流し込んで、あの複雑なサンダルの形状を1パーツでしかも大量生産する技術が確立される必要がありました。以前の
ゴムや革製品では、この履き心地とコストの両立は不可能でした。
「醜さ」と「利便性」の転換
それまでの靴は「革や布で作るもの」という固定観念がありました。当初は「ボートシューズ(ボート用の実用靴)」としてカナダ
の企業が開発したものを創業者が「これは醜いが、履き心地は最高だ」と見出したことから始まります。
2. なぜ2000年代だったのか?
クロックス以前にも、ビーチサンダル(1950年代~)やゴムの長靴(19世紀~)は存在しましたが、樹脂を完全に発泡させ、かつ
サンダルの形状に加工する技術は、20世紀末から21世紀初頭の、比較的最近まで一般的ではありませんでした。
3. 「クロックス」としての革命
クロックスは、単に技術的な問題だけでなく、デザイン的にも革命的でした。
水に浮く、水を吸わない
洗える、すぐ乾く
穴が通気性とカスタマイズ(ジビッツ)を生む
これまでの靴が「耐久性」や「見栄え」を追求していたのに対し、クロックスは「機能性(コンフォート)」を究極まで突き詰めた
ため、2000年以上経った時代に誕生した新しい概念の靴と言えます。
人類は2000年かけて「履き心地が最悪になりがちなゴム製品」から、「最高に履き心地の良い快適な樹脂製品」への進化を成し遂げ
た、とも解釈できます。
返信する