空気中から1リットル近い飲料水を
取り出せるジャケットが開発される
テキサス大学オースティン校の研究チームが、空気中の
水分を集めて飲料水を取り出せるジャケット型デバイスを
開発しました。この技術は繊維そのものに水分回収機能を
持たせることで、ハイキングやキャンプ、農作業、災害対応、
軍事活動など、飲料水を確保しにくい環境での利用を想定しています。
空気中から水を回収する技術は「大気水回収」と呼ばれ、これまで
箱型の装置や大型パネル、吸着材の層を使うものとして研究されて
きました。しかし研究チームは、装置を大型化するのではなく、
衣服に使える布地そのものが水分を集められるようにすることで、
個人が持ち運べる水源として再設計しました。
このジャケットに組み込まれているのは、空気中の水蒸気を捕まえる
「階層的開放多孔質繊維(HOP-Fiber)」です。HOP-Fiberは表面に開いた
孔を持ち、内部にも大小の孔が階層的に配置されているため、
水蒸気を表面で液化させた後、水を素早く繊維内部へ移動させることができます。
実験では、相対湿度20~80%の環境で、吸着材1kgあたり1日3.76~7.45リットル
の水を生み出す性能を示しました。実際に回収された水の量は1日410mlから
894mlで、研究チームによると、湿度に応じて1日約400~900mlの飲用可能な
水を得られたと説明されています。
屋外試験は中国・西昌の乾燥地域、アメリカ・オースティン州の半乾燥地域、
中国・成都の湿潤地域で行われました。西昌の乾燥環境では1日410mlの水が
回収され、回収された水はリチウムイオン残留が少なく、WHO(世界保健機関)の
飲料水基準を満たしたと報告されています。
この布地は、丸める、折りたたむ、ねじるといった変形にも耐えられる
とされており、衣服だけでなく、バックパック、テント、緊急用シェルター
などへの応用も想定されています。研究チームは今後、屋外活動、遠隔地での
作業、災害対応、乾燥地域やインフラが限られた地域での水アクセス改善に
向けて、技術の応用を進める方針です。
https://gigazine.net/news/20260612-jacket-pulls-dri...
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