なぜウェブ広告はこんなに閉じにくい?
ダークパターンが生み出した「使いやすさ」
より「数字」が優先されるネット広告の事情
「あ、また出たこの広告。閉じるボタンが見つかりにくくてイライラする」
ウェブサイトを見ていて、そんな経験はないでしょうか。画面を覆う広告を
消そうと「×」を探す。ところが妙に小さい。右上にあると思ったら左上だったり、
「CLOSE」の文字が斜めになっていたりする。
数秒たたないと閉じるボタンが現れない広告もあります。記事をスクロールしても
画面についてくる「スティッキー広告」や、記事の途中で居座る広告も珍しくありません。
なぜウェブ広告は、こんなに「閉じにくく」なったのでしょうか。
背景には、ネット広告特有の皮肉があります。ユーザーにとって使いやすいUI
(ユーザーインターフェース)と、広告の数字が良くなるUIは、必ずしも同じ
ではないのです。
広告を簡単に閉じられるようにすれば、ユーザーには親切です。しかし広告を見る
時間は短くなります。広告を画面に固定すれば邪魔になりますが、表示時間は延びます。
さらに問題になるのが「クリック」です。クリック数が広告の効果を測る指標の一つに
なる場合、「この商品が気になる」と押しても1クリック。広告を閉じようとして
間違って押してしまっても、表面的には1クリックです。
広告を出す側にとってもマイナスです。閉じにくい広告に閲覧者がいら立てば、
サイトだけでなく、広告の商品や企業への印象まで悪くなりかねません。
クリック率など数字の上では効果があっても、ブランドへの評価は下がる。
しかも、こうした損失は数字には表れにくいところに、ネット広告の難しさがあります。
ユーザーにとって使いやすいUIと、広告の数字が良くなるUIが一致しない――。
ネット広告が抱える大きな矛盾です。
質の良い情報は、タダでは作れない
取材をする。裏を取る。書く。編集する。写真を撮る。どれにも人手と時間、
つまりお金がかかります。無料で読める記事の多くは、そのコストを広告が
肩代わりしています。有料化すれば読者が減る可能性があり、広告収入を増やそう
とすれば画面が騒がしくなりやすい。無料で読みやすい環境と、十分な収益を
両立させるのは簡単ではありません。
どこまでなら消費者が受け入れられ、広告としても効果を保てるのか。消費者の声を
聞きながら、広告主やメディア、広告業界が一緒になって「ちょうどいい広告」の
あり方を探していくことが必要です。
閉じやすくても届く広告、邪魔にならなくても目に留まる広告。そのバランスを
見つけられるかどうかが、ウェブ広告の次の課題なのかもしれません。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/sbs/289375...
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