高田馬場駅前はなぜ「不法占拠」されたのか?
西武鉄道が50年以上「黙認」―
そんな土地が排除される令和現実、違法性を超えた社会的実態とは
高田馬場駅前で「不法占拠」とされた店舗群が排除された。
背景には、地価49.4%上昇や再開発計画、鉄道会社の資産戦略転換があると考えられる。
東京・高田馬場駅前の飲食店が「不法占拠」とされ、解体工事が始まったことで話題となっている。
解体されているのは、高田馬場駅前の寿司店などが含まれる一角だ。これらの店舗は長年営業を
続けてきたが、「不法占拠だったとは知らなかった」と驚きの声があがっている。
この不法占拠の容認はどのように形成されたのか。
太平洋戦争後の物資不足のなか、生活必需品や食料を供給するために、全国各地で「闇市」
と呼ばれる非公式市場が自然発生的に生まれた。新宿駅東口の「新宿マーケット」はその代表例である。
土地の所有権や契約による正規の許可はなかったが、終戦からわずか5日後に警察当局が営業許可を出している。
当時、占拠の合法・不法は所有権ではなく、必要性に基づいて判断された。
高田馬場でも、資料は限られるが同様に不法占拠による闇市が存在していたと推察される。
西武鉄道は長らく土地所有者としての権利を主張せず、実質的に占拠状態を黙認していた。
象徴的なのは、西武鉄道による所有権保存の登記が2013年12月にようやく行われたことである。
それ以前は形式的な登記記録の整備すらなされていなかった。
鉄道会社にとって、この土地は鉄道事業とは無関係な余剰地に過ぎなかった。活用にも排除にも
手間をかける動機がなかったのだ。一方、自治体にとっても、営業中の店舗を無理に排除する
理由は乏しかった。苦情がなければ黙認で済ませた方が楽だったのである。
しかし近年の都市開発では、大資本がこうした小さな余白の活用に積極的になっている。
その中で、不法占拠は許されないという正論が急に強調されるようになった。つまり、
違法だから排除されたのではなく、利益を生むために排除されたのだ。
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