青いはずの景色が褐色に――。
生態不明のガによる竹林の食害が広がっている。しかも国内で確認されて数年しかたっていない。有効な手立ても
まだない中、京都の伝統野菜・京野菜のブランド「京たけのこ」の産地・乙訓地域も脅かされており、関係者は頭
を抱えている。
ガは、中国原産の外来種「シナチクノメイガ」を含むノメイガ類の3種。シナチクノメイガはチョウ目ツトガ科に属
し、成虫は開長30~40ミリほどの大きさになる。竹類に寄生して幼虫が葉を食べ、とじ合わせた葉の中でサナギにな
り、青い葉を褐色に変えてしまう。
◇タケノコ食害対応の農薬なく
国内で初めて個体が確認されたのは愛知県で、2020年のことだった。その後、東京や大阪など8都府県でも見つかっ
た。京都府によると、タケノコ産地での食害は、京都府内で24年7月に確認されたのが国内では初めてという。
被害は乙訓地域にとどまらず、大阪の北摂地域にも拡大しているとみられるといい、広域的な対策が必要となる。
ただ、タケノコは食害などの被害がこれまでないため、農薬が登録されていない。府は今年1月から、「コナガ」に適
用されている農薬を当面の間使用できる特例措置をとっているが、薬剤を高所から散布する必要があり、農家への負
担も懸念される。
◇収穫量減との因果関係は不明
長岡京市では5日、実態調査や関係機関との情報共有、防除体制の構築などを府に緊急要望。市は食害との直接的な
因果関係は「不明」とした上で、25年度のタケノコ出荷量が前年度から半減している現状を明かした。市の担当課は
「生態や被害の詳しい状況が分からずどう対処すべきか困っている。効果的な防除を行い、市のタケノコの文化を残
していくためにも早急に生態が判明してほしい」と願う。
府農産課はタケノコの収量減少について、春夏の天候状態や表・裏作の影響を挙げ、ノメイガ類による被害に起因
するかは「分からない」としている。林野庁や研究機関、関係する府市町らで構成する対策協議会を設置し、まずは
生態の解明や発生状況の把握、防除法の確立に取り組むことを申し合わせた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c858c11236de812bc9ba1...
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