寝耳に水…ふるさと納税の信用失墜――
農林水産省は10日、水迫畜産(鹿児島県指宿市山川)が牛肉商品の牛種や原産地、個体識別番号を正しく表示せず
に販売したとして、食品表示法や牛トレーサビリティー法に基づく表示の是正や再発防止策の実施を指示・勧告した。商
品の原料に黒毛和種以外や他県産を使用しているのに「黒毛和牛」「鹿児島県産」と表示、事実と異なる個体識別番号
を使うなどしていた。
水迫畜産はステーキや切り落としなどの原料牛肉に肉専用種や交雑種、ホルスタイン種を使っていながら「黒毛和牛」
と表示。沖縄県産や宮崎県産を含んだ商品も「鹿児島県産」として販売した。さらに、異なる個体識別番号の原料牛肉を
複数使っているのに一つの識別番号のみを表示した。
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水迫畜産の不適切表示で、対象の牛肉をふるさと納税返礼品として扱っていた鹿児島、指宿、南九州、姶良4市は、ど
れだけの発送があったのか精査に追われた。種類が多岐に渡る上、過去にさかのぼり調べるため規模もつかめず、代替
品や返金といった寄付者対応の検討もこれから。返礼品競争が激しくなる中、「信用が傷つく」「不正は見抜きにくい」
と戸惑う。
4市には6日夕、県を通じて連絡があり、同社の返礼品の表示・発送を止めた。「寝耳に水。信頼が揺らぐ大問題」。
同社の地元・指宿市の担当者はショックを隠せない。対象の牛肉は、高級品ながら手頃な価格とあって人気は上位。地元
としても推す一品だった。
過去の産地偽装例を踏まえ、年2回の事業者説明会では適正な表示を呼びかけるほか、現場でも随時確認してきた。
ただ、事前連絡で協力を得ているのが実情。担当は「今回以外も不適正がないか精査したい」と話すが、「表示を信じる
のが基本。正しいか確かめる難しさはある」と明かす。
対象となった2023年度、南九州市のふるさと納税全体の寄付実績は約10万8700件、計約24億9300万円
に上り、4市で最も多い。今後は、同社商品を購入した人をリストアップした上で対象の牛肉かを確認、さらに同社のリ
ストとも照合する必要がある。1市当たり数千人との見方もあるが、各市の担当は「実際に精査しないと見当つかない」
と声をそろえる。
近年のふるさと納税は、都市部の自治体が参入し、返礼品に日用品が増えるなど競争が続く。伸びを見せていた鹿児島
市の担当者は「痛手だが、寄付者に安心してもらえるよう、全力で対応したい」と話した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/897862ad0468e1412fdab...
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