名湯で知られる温泉に異変、湯量減少で湯温が低下…含まれる成分も変化
2023/01/13 08:05
岩木山麓の名湯として知られる 嶽だけ 温泉(青森県弘前市)で、昨年末に突然、急激に湯量が
減少して湯温が低下し、宿泊客や日帰り客が入浴できない状態となっている。年明けに国の
観光需要喚起策「全国旅行支援」が再開され、温泉旅館関係者はコロナ禍で受けた経済的打撃
を回復しようとしていたが、想定外の事態に頭を抱えている。
急激な湯量減少と湯温低下が起きている嶽温泉(12日、弘前市で)
嶽温泉旅館組合長で、「小島旅館」を営む小島庸平さんによると、異変が起きたのは昨年12月28日。
小島旅館の浴槽のうち、熱い方の湯温が通常の43~44度から40度以下に下がった。ぬるい方の浴槽は、
41~42度から体温並みの約36度にまで低下したという。
嶽温泉には源泉が4本あり、それぞれの源泉をブレンドして各旅館に供給されている。小島さんが源泉を
調べたところ、通常は80度程度ある1本が50度前後まで下がり、湯量も5分の1までに減っているのがわかった。
さらに温泉に含まれる成分も変化し、赤茶色の浮遊物が混ざって各旅館の浴槽に流れ込むようになった。
湯量減少や湯温低下の原因について、小島さんは「昨年8月の大雨をきっかけに、温泉をくみ上げる配管に
何らかのトラブルが起きたのかもしれない」と推測する。源泉は温泉街から離れた麓にあり、通じる道路には
1メートル以上雪が積もっているため、修理で重機などを搬入するのは容易ではない。小島さんは市に緊急の
除雪を依頼すると、14日に作業が行われることになった。15日には配管の修理ができるめどが立ったという。
今回のトラブルで、小島旅館は新規の予約受け付けを停止し、既に予約した客には事情を説明してキャンセルするか、
そのまま宿泊するかを選んでもらっている。ほかの旅館も営業を一時取りやめるなど、大きな支障が出ている。
嶽温泉も、長期化するコロナ禍で各旅館の収入が減っている。10日に再開された全国旅行支援などの旅行
キャンペーンに期待をかけていただけに、小島さんは「事態は深刻で、物価高もあって温泉経営は窮地に陥っている。
配管の修理が終わったら、一刻も早く営業を再開したい」と祈るように話す。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230112-OYT1T50235...
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