大阪府枚方市が市内の販売店で省エネ家電に買い替えた市民に補助金を出す事業を巡り、家電量販大手のヤマダデンキ
(本社・群馬県)の枚方市の店舗が、市外の2店舗で購入した市民に、市内店舗の領収書を発行し、市民に不正請求の申
請を促していたことがわかった。市はこれを「領収書の偽造」と判断。不正申請は31件あり、うち15件計44万円が交付
されたという。
市によると、この補助金事業は物価高騰対策の一環で、2022年11月に始めた。市民が市内の販売店でエアコン、冷
蔵庫、テレビのいずれかを省エネ家電に買い替えると、購入額に応じて1万~3万円の補助金が交付される。
ヤマダデンキは23年2月、枚方市と隣接する同府高槻市の店舗が、家電を購入した枚方市在住の顧客に対し、「レシー
トを枚方市の店舗に持って行けば補助金が出る」などと説明。枚方市内の店舗は、市民が持参したレシートと、枚方市の
店舗名が入った手書きの「偽造領収書」を引き換えたうえで、この領収書を添付して市に不正な申請をするように促した
という。
枚方市の担当者は、申請に添付された手書きの領収書には枚方市の店舗名が書かれているのに、本来は添付不要な「長
期無料保証」の保証書に高槻市の店舗名が書かれていることを見つけた。市が手書き領収書を提出した市民に確認したと
ころ、高槻市と同府寝屋川市の2店舗で購入された16件の不正申請が発覚。補助金を不交付にした。
このほか同様の手書き領収書で高槻市と寝屋川市の2店舗分で15件、計44万円の補助金が交付されていた。ヤマダデ
ンキに確認したところ、いずれも不正請求と判明。同社は市民に不正な手続きを促したとして、第三者弁済という形で会
社側から市に全額を返還するという。
市は6月末、ヤマダデンキ側から「枚方店の店長らが(客が改めて枚方店で購入しなくても良いように)、客の便宜を
図るためにした」などとする報告を受けたという。
枚方市の担当者は「今年度も同じ事業をしており、より厳格な書類審査をしていく」とした。
ヤマダホールディングスの清村浩一・経営企画室長は取材に対し、「市民に不正な手続きを促し、大変申し訳ない。一
部の管理職が『近隣店舗で購入しても補助金を請求できる』と勘違いし、不正の認識はなかった。ほかの自治体では同様
の事案は確認されていない」と話している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/20251fa773bc1144b6f17...
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