JR西日本と神戸電鉄の三田駅前で、乗降客の女性がスカート内を盗撮される事件が2件、相次いだ。いずれの件も会社
員や派遣社員の男が逮捕されたが、兵庫県警三田署が重視するのは、現場が同じ上りエスカレーターだったこと。「狙われ
やすい場所」と警戒を強め、三田市と被害防止対策に乗り出すことを決めた。
発表では、発生は7月20日と27日で、朝の通勤、通学時間帯だった。神鉄三田駅の改札前にあるエスカレーターで、
地上6メートルの通路へと延び、JR三田駅の改札へつながっている。
被害者はいずれも電車の乗り換えに向かう際、幅1メートルあるエスカレーターのステップ片側に立っていた。スマート
フォンなどを背後からスカート内に入れられ、動画撮影された。
三田署生活安全課の小平宝生課長は「電車の結節点という特徴に、盗撮を狙う者が目をつけている可能性がある。乗り換
えを急ぎ、気を取られると注意散漫になりやすい」と指摘する。
いずれも容疑者を取り押さえたのは、たまたま通勤などで居合わせた警察官だった。「職務で培った眼力だからこそ、犯
行を見逃さなかった面はある」と小平課長。今回の2件はあくまで氷山の一角にすぎない――との見立てだ。
実際、2件目の逮捕者が使った小型カメラには女性の動画が複数残され、このエスカレーターで以前に盗撮したとみられ
るものも含まれていたという。ここでは2022年5月にも同様の事件が起きており、未解決のままだ。
被害が集中しやすい場所となっている可能性があるが、管理する市道路河川課は「そういう認識はなかった」と驚きを隠
さない。
三田署の要望に応え、市は近く、合同で注意喚起の啓発活動を行う。エスカレーターに沿う壁面に、鏡の設置も検討。女
性が鏡に視線を送ることで背後へも気を配りやすくなり、被害を抑止する効果に期待する。
短め狙いの先入観「覆された」
短期間での被害集中に加え、「別の意味でも衝撃だった」と三田署の小平宝生課長が言うのは、7月27日に起きた盗撮
事件だ。
被害者の女性はロングスカートだった。逮捕された男にエスカレーターで背後から裾をつまみ上げられており、下着など
を動画撮影される間、全く気付かなかったという。
男の小型カメラに残されていた別の複数の盗撮動画も全てロングスカートで、「そういう趣味なのかは分からない。ただ、
短めのスカートが狙われやすいという先入観が完全に覆された」。防犯担当が長く、盗撮事件も多く解決してきた小平
課長は強調する。
「長いスカートだから大丈夫」という安心感を逆手に取られないよう、注意を呼び掛けている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/bb1ec0616639ac2ffabcf...
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