大会本部は、選手たちに、競技要綱や大会前日の監督会議を通じて車線をはみ出さないように知らせてきたと話します。
ツール・ド・北海道協会 高松泰常務理事(8日)
「今日1日目の大会ですが、実は昨日、チーム全員を集めた監督会議、ドライバーを集めたレースセキュリティブリーフィングを開催して、とりわけ片側1車線であるということで、対向車線へのはみ出しは、くれぐれも慎んでいただきたいということをお願いしたところではある」
今回のレースに出た選手は。
今大会の参加者「片側(車線)のみレースだとは知っていたが、ニュースを見て、前日に片側車線だけでレースするようお願いしたというが、選手に直接そういったお願いはされていない。監督会議で、監督に言っていたのかもしれないが、直接的に言っているという場面はない。自分のチームメイトもそういった認識だった」
元自転車プロロードレーサーで、2019年の大会で同じコースを走った経験もある小橋勇利さんは、大会運営側の問題を指摘します。
元自転車プロロードレーサー 小橋勇利さん「終始片側車線だと認識している選手もいれば、その区間は両側を使ってもいいと認識している選手もいて、選手に周知がなれせていなかった」
事故現場を見ると、道路の幅は7.3メートルで片側1車線。自転車から見て、スピードが出やすい下り坂で、右カーブの見通しの悪い場所でした。
主催者が通行止めにしていた区間になぜ、乗用車が入ったのでしょうか?
車を運転していた63歳の男性は、警察の調べに「吹上温泉に行くため、規制前だったので、そのまま通行した」と話している。
現場の通行止めは、「午前10時40分」から「11時45分」まで。警察によりますと、事故の発生は「11時37分ごろ」。
ということは、乗用車は、規制が始まる前に侵入したのでしょうか?
国内の自転車レースでは、去年9月、鹿児島県で開かれたインカレ自転車競技大会のレースでも、法政大学1年の男子学生が死亡しています。
衝突した乗用車が、なぜ、通行止めの区間にいたのかが原因究明のカギになりますが、この点について主催者の「ツール・ド・北海道協会」は11日、「通行止めエリア内で、車の合流、進入の可能性のある道が、どこに、いくつあるのかは、全て網羅しているわけではありません」と話し、脇道などからの進入の可能性を否定しませんでした。
警備会社の担当者は、「通行止めの規制中に乗用車が入るのは考えにくい。現場の区間を警備していた2名からも事故車両が通り抜けたという報告は来てない」と話しています。
このため、通行止めの規制前に乗用車が進入していた可能性が高くなってきました。道警は、コースの安全対策に問題がなかったか、業務上過失致死の疑いも視野に捜査を進めています。
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