分譲マンションの1室。
入居者の男性が3年近く前に病院で亡くなって以来、そのままになっています。
しかし、滞納された管理費や処分費用など数百万円を、負担する人はいません。
「早い話が、最後は泣き寝入りですよ」(管理組合の理事長)
相次ぐ“遺品部屋”の負担に、住民たちが選んだ道は…。
●滞納続く部屋 調べてみると
異変に気付いたのは、今から5年前。
千葉県内の築およそ50年の分譲マンションで管理組合の理事長を務める佐藤学さんが、財務状況を調べている時のことでした。
「いったいどうなっているのか…」
入居者が毎月納めるはずの管理費や修繕積立金の滞納が続いている部屋があり、その額が50万円以上にも上っていることに気付いたのです。
調べてみると、入居者は8年前に病院で死亡。相続は親族によって放棄されていました。
つまり、部屋はそのまま放置され、引き取り手がいない状態です。
なんとかしなくてはと、弁護士に相談して資産整理を依頼。
放置された室内の傷み具合や遺品の状況を確かめるため、2年前、佐藤さんはその弁護士と一緒に初めてその部屋に足を踏み入れました。
●中の様子は
一方で、台所付近は床が抜けるなど部屋の傷みも激しく、荒れ果てた状況でした。
「これは片づけるの大変だよ…」
室内の遺品にも「資産」と呼べるようなものはなく、むしろ処分に費用がかかります。
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