その結果、低減前でも問題のある量ではなかったトランス脂肪酸の含有量を、
そこからさらに1/10まで減らした企業もあるほどです。
今や、トランス脂肪酸だけを見たら、バターよりも少ないといわれており、
以前から安全ではありましたが、より安全性が増しました。
少し専門的になりますが、「不飽和脂肪酸」は、「シス型」と「トランス型」の
2種類に分けられます。
これは水素(H)がくっついている場所によって異なり、「シス型」は水素が片方に寄っていて、
なんとなくバンザイをしているような形をしており、脂肪酸が安定しやすい状態です。
これに対して「トランス型」は、水素(H)が上下に1つずつあるため、
ヨガのトリコナーサナ(三角のポーズ)のような形になり安定しません。
諸外国では油脂の摂取量が多いです。
トランス脂肪酸も健康被害が出るほどの量を常時、摂取しているため、
冠動脈疾患のリスクが高まるとの報告が出されました。
しかし日本国内に在住する日本人においては、諸外国で問題視されたほどの
油脂量を摂取していませんでしたから、日本人がトランス脂肪酸を多量摂取した際に
どのような影響が出るかは分かっていません。
ただ、いずれにしても日常的に健康を害するほどの量は食べていないのです。
無理に影響が出るであろう量を食べて実験することはできませんし、
日本で生活している日本人が通常の食事で摂取する程度の油脂ではトランス脂肪酸は
問題ないと考えていいと思います。
マーガリンはバターに比べて扱いやすく、安価であることも多いので、
冷蔵庫に常備しているご家庭も多いのではないかと思います。
単一の食品「だけ」を多量に食べ続けると、なんらかの健康被害が起こる可能性は
否定できませんが、人間は雑食で、さまざまな食品を食べて生活しています。
マーガリンも「さまざまな食品」のひとつです。
便利でお財布にも優しい食材は体に悪く、手間暇のかかったものでなければ
健康的ではない、と考える必要はありません。
上手にバランスよく、バラエティに富んだ食卓を楽しむことで、
健康被害も減らしていくことができます。
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