2023年3月。口をもぐもぐ動かして、草を反すうしながら、くつろぐヒツジたち。
大きく膨らんだおなかのなかには、赤ちゃんがいて、まもなく出産の時期を迎えます。
占冠村で「トマムシープファーム」を営む、有光良次(ありみつ・りょうじ)さん。
ヒツジとの暮らしには癒しを感じているといい、「こうして座って反すうしているときは、十分に食べられて、リラックスしている証拠なので、ヒツジ飼いとしては嬉しい光景ですね」と、穏やかな目で見つめていました。
動物と向き合うということ。
その意味を考えさせてくれた人のひとりが、有光さんです。
人口約1400人、観光客も多く訪れる占冠村。
面積の94%が森林で、ヒグマやエゾシカもすぐ近くで暮らしています。
占冠村役場では「野生鳥獣専門員」として、浦田剛(うらた・つよし)さんを雇用しています。
大学で野生動物の知識を得ていて、ハンターの資格も持つ浦田さんは、被害や出没の調査・対応にあたっているほか、「クマに強い地域づくり」を、住民と話し合うことも大切にしています。
その話し合いの場で、運営などを手伝っていたのが、有光さん。
地域おこし協力隊として占冠村に入り、浦田さんとともに3年間、野生鳥獣と向き合う仕事を経験しました。
その3年間で地域と信頼関係を築き、広大な土地と、かつて牛を飼育していた建物を借りて、「トマムシープファーム」を開きました。
日本で流通する羊肉はほとんどが海外産で、国産の羊肉は希少。
国内の流通ルートは確立していないため、自ら道内外の飲食店に営業に行き、国産の羊肉の価値を伝えていると言います。
取材日は、屋内でくつろいでいたヒツジたち。
夏の間は、占冠村の自然の中で放牧され、のびのびと育っています。
そのヒツジを放牧する場所に、去年の雪解けの後、クマが入ってきました。
「ヒツジを放牧するために、妻がネットフェンスが倒れたのを起こす作業をやっていたときに、10メートルくらいの距離でクマが急に立ち上がって」
以下ソース
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/598269?display=...
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