1/3(水) 19:38配信
能登半島を襲った地震の被災地では3日、行方不明者の捜索が続いた。4日夕で発生から72時間。
これを過ぎると被災者の生存率が大幅に低下するとされている。降雨と強い揺れの中で救出活動が
続くとともに、避難者からはライフラインの復旧を求める声が相次いでいる。
【写真】家が…自宅前でぼうぜんとする女性
https://mainichi.jp/graphs/20240101/mpj/00m/040/14... ◇「雪を食べてしのいでいる」石川県によると、3日午後3時現在、14市町計約9万5000戸で断水の被害が出ている。
1日の地震で大きな揺れに見舞われた輪島市で約1万戸、珠洲市で約4800戸、能登町では約6200戸で水の供給がストップ。
これらの地域では自衛隊の給水車の派遣を受けるなどしているが、十分行き渡っていない。3市町によると、ほぼ全域で
水道管が損傷しており、復旧のメドが立たないという。
「水と食料が底を突きそうだ。利用者の衰弱も始まっている。頼むから市で確保してもらえないか」。3日午前、輪島市役所には
高齢者施設からひっきりなしに電話が入った。健康福祉部の職員によると、その多くが市に飲み水などの提供を求める内容だったという。
市内の小学校に避難している住民からは「水がないので、雪を食べてしのいでいる」と窮状を訴える声も届いた。
市内では至る所で道路が寸断され、行政でさえ容易に対応できない状況だ。職員は「本当にもどかしい」と声を絞り出した。
高齢者や障害者ら60人以上が身を寄せる同市の福祉避難所も、断水に頭を悩ませる。男性職員によると、事務所にあったウーロン茶や
ジュースで備蓄米を炊いているという。「近所の人が米を持ってきてくれるが、生米を食べるわけにもいかず、今日の晩ご飯をどうしようか
というところだ。トイレが不衛生なのも困っている」と嘆く。
「オペ(手術)も透析もできない」。公立能登総合病院(七尾市藤橋町)の土倉洋一・診療支援課長は、疲れた様子で語った。
地震直後から負傷者らを受け入れているが、断水したままでは治療にも限界がある。透析が必要な患者約100人は別の医療機関につないだものの、
手術が必要な救急患者は他院に転送せざるを得なかった。
公立宇出津総合病院(能登町宇出津)は1日から医師5人でけが人などの対応に当たる。帰省中に被災した人もいて、外来患者は普段の3~4倍に上る。
上野英明事務局長によると、約60人の入院患者の食事は、備蓄していたペットボトルの水で調理しているが、持ってあと2日ほどだという。
「1日から町に給水車の派遣を求めているが、町内はどこも断水していて病院だけ特別扱いはできないというニュアンスだった」と困った様子だった。
【二村祐士朗、井手千夏、斉藤朋恵、東久保逸夫】
https://news.yahoo.co.jp/articles/d6bd022617e3ff16076e2...
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