「DNA、引き継いだ」初の月周回探査
「かぐや」責任者:SLIM着陸
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024020300385&g=s... かぐやのプロジェクトマネジャーを務めたJAXA宇宙科学研究所の
佐々木進名誉教授は「かぐやのDNAを引き継いでいる」と成功を喜んだ。
かぐや計画のスタートは1995年ごろ。佐々木さんによると、
「もともとは周回機と着陸実験機がセットで認められた計画」だった。
その後、財政難から着陸機構想が切り離され、残ったのがかぐやだった。
さらに縮小される恐れもあったが、「中国とインドがやり出して、
急に風向きが変わった」。2007年9月、中国初の周回機より約1カ月早く、
打ち上げにこぎ着けた。
しかし、中国はその後も探査機を次々と打ち上げ、13年に初の着陸、
20年にはサンプルリターンを成し遂げた。インドも23年、3機目で
月の南極に着陸した。
佐々木さんは「当時は中国もインドも同じ技術レベル。彼らは周回、
着陸というシナリオに沿って続けたが、日本は間延びしてしまった」
と指摘。「着陸機が切り離された段階で、SLIMのような軽量で
先進的な計画に切り替える決断をしていたら、もっと早く実現できた」と
残念がった。
トラブルもあったSLIMの着陸には「失敗していてもおかしくなく、
運が良かった」と辛口の評価も交えつつ、「さまざまな制約の中で、
宇宙研らしくいろいろなことを考えた」と称賛。
「今までの踏襲ではなく、新しいことをやることに喜びを感じるという
考え方。DNAは引き継がれている」と語った。
返信する