オーストラリアで26日、「つながらない権利」に関する規則が施行された。仕事を終えた後にも雇用主からの電話に出たり、メッセージを読んだりしなくてはならないと感じている人々に救いをもたらしている。
新たな法律により、従業員は上司からの処罰を恐れることなく、勤務時間外の連絡を無視できるようになった。
昨年公表された調査では、オーストラリア人の平均残業時間は年281時間だった。
同様の規則は、欧州やラテンアメリカを中心に20カ国以上で施行されている。
新たな法律は、就業時間後の従業員に雇用主が連絡することを禁じるものではない。
一方で従業員には、不合理とみなされない限り、応答しない権利を与えている。
この規則では、紛争となった場合、雇用者と被雇用者に自分たちで解決するよう求めている。解決できない場合は公正労働委員会(FWC)が介入し、雇用主に対し、就業時間外に従業員と接触しないよう命じることができる。
従業員による応答拒否が不合理だとFWCが判断した場合は、従業員に応答を命令できる。
FWCの命令に従わないときは、従業員に対しては最高1万9000豪ドル(約185万円)、企業に対しては最高9万4000豪ドル(約915万円)の罰金が科される可能性がある。
(中略)
労組の反応:
豪労働組合評議会は、「労働者が不合理な時間外労働を拒否できるようになり、ワーク・ライフ・バランスの向上が可能になる」とした。
現場の労働者の反応:
広告業界で働くレイチェル・アブデルヌアーさんは、「こうした法律は私たちにとってとても大事だと思う」、「私たちは一日中、携帯電話に接続し、電子メールに接続して過ごしている。そうした状況でスイッチをオフにするのはかなり難しいと思う」とロイター通信に話した。
一方で、新たなルールが大きな違いをもたらすと感じていない人も。金融業界で働くデイヴィッド・ブレナンさんは、「素晴らしいアイデアだと思う。普及してほしい。ただ正直なところ、私たちの業界では普及するとは思えない」、「私たちは高給取りで、成果を期待されていて、24時間体制で成果を出さなくてはならないと感じている」とロイター通信に述べた。
https://www.bbc.com/japanese/articles/cz9w45kwd5y... 文字数・通話時間に応じて残業代を自動課金するシステムの登場が待たれる
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