「伝説の漫画雑誌」を生んだ書店 惜しまれつつ閉店
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240906/k1001457144... 「少年ジャンプ読めます!! 1冊だけあります」
東日本大震災の直後、仙台市の書店に張られた手書きのメッセージを見て、
たくさんの子どもが集まりました。物流が止まる中、店主が入手した最新号の1冊は、
ボロボロになるまで店頭で読まれ、後に“伝説のジャンプ”と呼ばれるようになりました。
被災地の子どもたちに笑顔と安らぎを与えたまちの書店が、惜しまれながら店を閉じたのです。
「電子書籍などの流れには勝てなかった」
こう話すのは、仙台市青葉区の「塩川書店五橋店」の店主だった塩川祐一さんです。
親の代から62年間、営業を続けてきましたが、経営が難しくなり、8月末で店を閉じました。
この書店が全国的に話題となったのは、2011年3月11日の東日本大震災の直後でした。
“怖がる子どもたちに楽しみを与えたい”という地域の人の声に応え、塩川さんは
地震発生からわずか3日後に店を再開させたのです。営業再開後、店には多くの人が集まりました。
出版業界の団体からも注目されることになり、被災後の子どもたちに“希望と勇気を与えた”
として感謝状が贈られました。さらに、これらのエピソードが中学3年生の道徳の教科書にも
掲載されています。
電子書籍の普及などが続く中で、経営難には勝てなかったと無念な気持ちを吐露していました。
同時に、最後まで気にかけていたのは被災地の子どもたちのことです。
塩川祐一さん
「地震があるたびに思い出すわけです。日本各地で地震が起きるということは、どこも同じ
状況なんですよ。子どもたちが怖がって震えて、誰かがそれを助けたり、みんなで協力して
いるわけですよね。いつも思うのは、被災地の子どものケア。誰かがやっていてくれればいいな」
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