「家電王国ニッポン」はどこへ?
欧州最大の家電見本市から消える日本メーカー、業界リーダーの盛衰
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https://wedge.ismedia.jp/articles/print/3510... 100年ぶりにパリでオリンピックが開かれた翌9月初め、ドイツでは創設100年を祝う
欧州最大の家電見本市「IFA」がベルリンで開かれた。
コロナ前までは日本の家電メーカーが大きな展示ブースを構え、最新の薄型テレビや
デジタルカメラ、オーディオ機器などを展示していたが、今回の見本市でブースを
公開していたのは残念ながらパナソニックとアイワくらいだった。
そんな中でもしっかりブースを構えていたのは、アイワだ。
アイワの展示ブースで責任者を務めていた現地のアルベルト・ロペスCGOは
「SONYブランドは海外で有名だが、実は中近東や中南米といった国々ではSONY以上に
AIWAブランドが浸透していた」と指摘、そのブランド力を再び活かそうという戦略だ。
日本メーカーに代わりIFAの花形となったメーカーはどこか。韓国のサムスン電子や
LG電子は引き続き高い存在感を示していたが、最も躍進していたのは中国のメーカーだ。
会場中央には華為技術(ファーウェイ)から独立した携帯端末メーカーのHonorが陣取り、
会場西のほうにはテレビなどに強い中国家電メーカーのTCL科技集団やハイセンスが
巨大なブースを展示していた。
さらにもうひとつ注目されるのが会場東に巨大ブースを構えるトルコのベステルだ。
もともとドイツや日本の家電メーカーの受託製造を担っていたOEMメーカーだったが、
自社ブランドの「Vestel」で商品展開するようになり、さらにはドイツや日本、韓国
などのメーカーからブランド使用権を取得し、様々なブランドで製品を販売している。
英調査会社インフォーマテックのハイテク調査部門「OMDIA」のポール・グレイ氏は
「最初は日本メーカーがドイツのメーカーを追い落とし、次はその日本メーカーを
韓国メーカーが追い上げ、今度はトルコや中国のメーカーが主役に立とうとしている。
その意味ではドイツの家電メーカーが消えていったように、今度は日本のメーカーが
消えていく、残念ながらそういった輪廻なのかもしれない」という。
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