大阪・キタの地元住民グループなどが、路上に立つ売春の客待ちへの対策として、道路を黄色にペイントする。
目立つ場所を嫌がる心理を利用した計画で、警察庁が協力。2025年大阪・関西万博を前に、パトロールや警察
の取り締まりではなかなか減らない客待ちを一掃したい考えだ。
いたちごっこ
ホテルや飲食店が立ち並ぶ大阪市北区太融寺町の一角。裏通りの路上には、昼夜問わず若い女性たちが立っている。
数年前から目立つようになったといい、地元の防犯協会や曽根崎署は、路上の巡回に力を入れてきた。同署は、今
年8月までの1年間だけでも、客待ちをしたとして20人を超える女性を売春防止法違反の疑いで逮捕・書類送検した。
だが、すぐに別の女性が現れ、「いたちごっこ」になっている。
地元住民の中には、イメージの悪さに嫌気がさし、引っ越した人もいるという。最近は、SNSで「毎日女子が立ち
並んでいる」などと発信されており、地元住民の一人は「興味本位で訪れる人もいて困っている」と話す。
行動経済学
そこで計画したのが、道路を派手にする対策だ。
客待ちが目立つ市道約100メートルを黄色くペイントする。さらに、専門学校でデザインを学ぶ学生に路上を去り
たくなるようなイラストを考えて描いてもらったり、街灯を増やして明るくしたりする。
地元住民や曽根崎署は、以前から街頭犯罪対策で警察庁科学警察研究所と連携してきた。今回、同研究所から受け
たアドバイスが、行動経済学の「ナッジ理論」だった。「そっと後押しする」という意味で、伝え方を工夫すること
で人々に自発的な行動を促す考え方だ。コロナ禍で「ソーシャルディスタンス」を確保するため、レジ前に貼られる
ようになった足形シールもこの理論に基づく。
今回の計画を監修する同研究所犯罪予防研究室の島田貴仁室長(応用心理学)によると、周囲の目を引く派手な
「警戒色」にすることで、路上にとどまりづらくなる心理効果が見込まれるという。島田室長は「効果が出れば、
同じ問題を抱える全国各地の参考になる」と語る。
続く→
https://news.yahoo.co.jp/articles/8e1e6ba4f3cac0ba194eb...
返信する