「緑の日傘」東京ドーム256個分が消えた…
樹木伐採が進む23区、ヒートアイランド現象が加速しかねない
樹木の枝葉で覆われた土地の面積割合を示す「樹冠被覆率」が、
東京23区で2013年の9.2%から2022年には7.3%まで減ったことが、
東京大の研究チームの調査で明らかになった。日射や路面からの放射熱を減らし
「緑の日傘」と呼ばれる樹木が減ることで、都市部の気温が周辺より高くなる
ヒートアイランド現象の深刻化が懸念される。
樹木で覆われた土地は2013年で9.2%、2022年に7.3%
東京23区の樹冠被覆率を調査した白石欣也さん=千葉県柏市の東京大柏キャンパスで
樹冠被覆率は気候変動や生物多様性の観点から国際的に重視される都市緑化の評価基準。
国連機関の事業の認定基準にも採用されているが、国内では浸透していない。
23区全体を対象とした樹冠被覆率の調査は、今回が初めて。衛星画像などから推計した。
2013年からの9年間で、東京ドーム約256個分の12平方キロメートルの樹冠を失った計算だ。
研究チームが今年4月にまとめた論文によると、樹木の減少は住宅開発や都市再開発に伴う
伐採が進んだことが主な要因。用途別で樹冠被覆率の減少幅が最も大きかったのは、
民家の庭木が減った一戸建て住宅で、40.6%減だった。次いで街路樹の減少により道路が
21.4%減、教育・文化施設18.2%減、公園8.3%減と続いた。
区別で比率の減少幅が最も大きかったのは杉並区の39.5%減、次いで練馬区の38.2%減、
世田谷区と中野区の34.7%減。23区西部はかつて屋敷林などが多かったが、地価高騰や
相続税の負担を背景に、一軒分の土地を分割し、小さな一戸建て住宅を複数建てる住宅事情
などが影響したとみられる。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/36443...
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