■発端
岐阜県内の仕出し業者が作った弁当が数百人規模の集団食中毒を引き起こした。当初、県が把握していた症状のある人
は71人だったが2週間ほどで400人を超え、警察も家宅捜索に踏み切った。なぜ、感染はここまで広がったのか?
2月27日、岐阜県笠松町の医療機関から岐阜保健所へ通報が入った。
「嘔吐、下痢などの症状を訴える患者を診察したが、患者と同じ弁当を食べた人も同様の症状を訴えている」
弁当を製造したのは岐阜県岐南町の「バイパス給食センター」という仕出し業者で、この会社の弁当を食べた人や、
調理に携わった人の便からノロウイルスが検出された。岐阜県によると症状が確認されたのは26日に弁当を食べた20
歳~83歳の男女71人。県はバイパス給食センターが製造した弁当による食中毒と断定し、3月2日、営業禁止処分と
した。このとき71人が食べた弁当のメニューは「ハンバーグ」、「ふきとはんぺんの煮物」、「五目卯の花」、
「麻婆ナス」、「ナムル」、「ごはん」、「みそ汁」だった。原因食品については分からなかった。
この日から2週間の間、症状を訴える人の数はどんどん増えていった。
■バイパス給食センターとは
バイパス給食センターは県内有数の大規模調理施設を有し、仕出し弁当や給食を製造・配達していて、1日4000食
以上を提供できる。配達エリアは岐南町のほか岐阜市など県内12の市町を広くカバーし、2012年に岐阜県で開催
された国体では県から発注を受けて来賓用の弁当を任されたこともあるという。
■増え続ける患者 死者も…
岐阜県は3月5日、バイパス給食センターによる「集団食中毒の拡大」を発表した。2月24日~28日に同社が提供
した弁当を食べた915人のうち261人が下痢や腹痛などの症状を訴えた。また、羽島市役所の売店など県内4施設で
不特定多数に向けた弁当の販売があったことも新たに判明し、注意を呼び掛けた。
さらに2日後の7日、岐阜県は「食中毒患者1人が死亡した」と発表した。死亡したのは40代の男性で、勤務先がバ
イパス給食センターの弁当を注文していた。3月1日に亡くなったとみられ、食中毒と男性の死亡との因果関係につ
いて岐阜県は「現在のところ不明」としている。
その後も食中毒の症状を訴える人は増え続けた。岐阜県の調査では3月13日時点で456人、重症者はいないものの8
人が一時入院した。岐阜県警によると県内4つの警察署で留置されていた16人も症状を訴えた。岐阜県の担当者によ
ると14日までに調査はほぼ終わり、人数について大きく増加することはない見通しだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/57af083558270b79e04d1...
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