昭和の家庭の夕食に、頻繁に登場していた
謎のオムレツを知りませんか?
挽き肉入りオムレツは、どこから来てどこに消えていったのか。
単にオムレツと言えばこの挽き肉入りオムレツのことを指すことが
ほとんどだったのです。この料理は概ね全国で作られ、具のレシピは
細部で家庭ごとの違いもあったようでした。
それは、塩味でした。玉ねぎと合い挽き肉をバターで炒め、
塩コショウとナツメグで味付けしたものです。
挽き肉オムレツは、外食ではなくあくまで家庭料理として定着し、
そして今、静かに消えゆこうとしているのです。
このオムレツ、不可解なのは、なぜ消えていったのかです。
昭和から平成初期の料理本のオムレツは、挽き肉のみならず、
ソーセージ、野菜、海老など、具を中に巻き込んだものが多いのですが、
それらもまとめて衰退していきました。
衰退の原因として、見た目が地味な割に、作ると案外手間がかかるという
ことはあるかもしれません。「なぜ衰退したのか」という結論に
向かいたいところなのですが、残念ながらその本質的な理由は
さっぱりわからない、というのが正直なところです。
ひとりでも多くの人がこの料理を思い出す、それだけでいいのかも
しれません。そしてこの料理を知らない世代の人々にも食べてもらう。
食べればそのおいしさは、きっとわかってもらえるはずです。
絶滅危惧種の野生生物も、保護活動によって近年個体数を回復している例は、
決して少なくありません。家庭料理にも多様性が必要なのかどうかはともかく、
ことこの料理に関しては、このまま消えていくのはあまりにももったいない
と感じます。
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