スマホは本当に会話を「盗聴」して広告を出しているのか?
専門調査と最新事例から考える
友人と話しただけの商品が、直後にスマホの画面に
広告として現れた。そんな体験談が、SNSではたびたび
話題になる。スマホがマイクで会話を聞き、広告に
使っているのではないか、というわけだ。専門家が
繰り返し否定しても、この説が消えないのはなぜか。
米ノースイースタン大学などの研究チームは2018年、
Androidアプリ1万7260本を分析した。そのうち約9100本を
端末上で動かし、発生する通信を監視した。
画面の表示内容を録画して外部へ送るアプリは見つかった。
一方、テスト中に音声を外部へ送ったアプリは確認されなかった。
別の情報流出を検出できた調査で、音声の送信が見つからなかった
事実には一定の重みがある。
盗聴がないなら、あの一致はどこから来るのか。
1つ目は、会話と広告に共通する別の原因がある場合だ。検索や閲覧、
動画視聴などが関心を生み、その結果として会話と広告の両方に同じ
商品が現れる。広告を先に見たことが、後の会話を促した可能性もある。
2つ目は、会話相手の行動だ。広告・計測業界には、IPアドレスなどから
複数の端末を同じ世帯に属すると推定する技術がある。相手の検索後に
同分野の広告が自分へ出る経路はあり得るが、目の前の広告がその仕組みで
配信されたかは確認できない。
3つ目は、記憶の偏りだ。話題と一致した広告は強く印象に残る。
一致しなかった多くの広告や、話したのに表示されなかった商品は
記録しない。比較する分母がなければ、体感だけで一致率は判断できない。
主要な広告事業者が日常会話を秘密裏に集めていると考える根拠はない。
絶対に存在しないとは断言できないが、一般的な広告表示を説明する
仮説として会話収集を選ぶ理由は乏しい。
利用者が感じる不気味さには別の原因がある。検索、閲覧、視聴、位置、
アプリ利用などの断片から関心を推定できる一方、どのデータが広告に
使われたのかは利用者に見えにくい。
だから、「盗聴されている気がする」という感覚そのものは、的外れとはいえない。
会話を聞かれていなくても、行動から関心を推定され、その過程を本人が
確かめられない状態は続いている。誤っているのは原因の見立てであって、
自分がよく把握されているという実感の方ではない。
https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/2607/13/news07...
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