なぜ日本では「冷めてもおいしい」弁当文化が育ったのか?
米の性質、調理の工夫、保存の知恵...
日本で親しまれている弁当やおにぎり。冷めた状態で販売されているものを、
温めずに食べる人も多いのではないでしょうか。
世界を見渡すと、主食とおかずを冷めた状態のまま、完成した料理として
食べる文化は多くありません。多くの国では、料理は温かいうちに食べるものとされ、
冷めたら温め直すか、温かいまま運ぶ工夫が発達してきました。
なぜ日本では「冷めてもおいしい」ことを前提にした食文化が育ったのでしょうか。
日本のジャポニカ米はアミロースが少なく、粘りと水分の保持力があります。
冷めても食感が落ちにくく、おにぎりや弁当に向いた米です。
冷めてもおいしい米があったこと。これが、日本の弁当文化の土台になりました。
日本は「冷めてもおいしい料理」を磨いた
日本料理でも、焼きたての魚や揚げたての天ぷらは熱いうちがおいしい料理です。
しかし弁当に入る煮物や焼き物、卵焼きは、冷めても味のバランスが崩れないように
作られてきました。
煮物は冷める過程で煮汁が食材にしみ込み、味がなじみます。
味付けも、冷めた状態で食べることを見込んで調整されています。
日本の弁当を支えてきたのは、味だけではありません。
冷蔵庫がない時代から、傷みを防ぐ工夫が受け継がれてきました。
・梅干しや酢飯、酢の物を取り入れる
・焼き魚や漬物など、塩分を効かせたおかずを使う
・煮物や卵焼きは汁気を飛ばして仕上げる
・水分の多いおかずを避ける
・炊きたてのご飯は冷ましてから詰め、蓋の裏に水滴が付かないようにする
日本の弁当は「冷めた料理」ではない
多くの国では、どうすれば温かさを保てるかが工夫されてきました。
日本では、どうすれば冷めてもおいしく、安全に食べられるかが追求されてきました。
冷めても食感が落ちにくい米。常温で味が決まるように作られたおかず。
傷みを防ぐ工夫の歴史。この3つが重なって、日本の弁当は携帯食ではなく、
常温で食べることを前提に組み立てられた「料理」になりました。日本の弁当は、
冷めていることが欠点ではなく、“前提”として設計されているのです。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/284317...
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