予算が余る町:人口を遥かに超える財政力
強力な返礼品を持つ一部の過疎地や小規模な自治体には、本来の町民の数では使い切れないほどの巨額の寄付金が集まっています。
住民税の何倍も稼ぐ自治体の出現
人口数千人の町が、ふるさと納税だけで数十億〜百億円以上の寄付を集めるケースが相次いでいます。
町本来の税収の数倍から十数倍に達する財政力を手にする自治体もあります。
使い道に困るほどの予算
行政サービス(医療・教育の無償化など)を限界まで充実させてもなお予算が余り、豪華な庁舎の建て替え、観光用の巨大なモニュメント建設、全住民への一過性のギフト券配布など、実質的な「バラマキ」に繋がるケースが批判されています。
財政難に陥る都市(世田谷区・横浜市など):行政サービスのカット
一方で、人口が多く膨大な行政ニーズを抱える大都市圏の自治体(特に東京都世田谷区や神奈川県横浜市など)は、深刻な税流出により、本来行うべき市民サービスを諦めざるを得ない状況に追い込まれています。
世田谷区の悲鳴(年間約100億円規模の流出)
世田谷区はふるさと納税による減収額がトップクラスです。
失われた予算があれば、「認可保育園を数十箇所新設できる」「老朽化した小中学校の耐震・改修工事がすべて完了する」「道路や公園の整備が大幅に進む」はずでした。
結果として、予算不足から公共施設の修繕を先送りにしたり、住民向けの補助金事業を縮小・廃止せざるを得なくなっています。
地方交付税で救われない都市部の罠
地方の自治体は減収しても国から75%が補填されます。しかし、東京都や世田谷区などの一部の財政豊かな都市部は地方交付税不交付団体(国からの補助金をもらわずに自立している自治体)であるため、国からの穴埋めが1円もありません。
つまり、流出した税金は100%そのまま丸損となり、ダイレクトに住民サービス低下のしわ寄せがいきます。
東京を例にすると、2,255億円を失っても、地方の行政サービスにはその約半分(約1,100億円)しか行き届かない」という中抜きの構造こそが、この制度が日本全体の行政サービスを著しく低下させている最大の原因です。
消えた半分の行き先(中抜きの内訳):仲介サイト(ポータルサイト)への手数料、返礼品業者(民間企業)の売上、配送業者への送料
本来は義務教育や福祉、防災など「公の目的」に使われるべき税金の半分が、民間企業(ポータルサイトや返礼品業者)に合法的に「ばらまかれている」というのが、この制度の隠された実態です
この中抜き(特に仲介サイトの暴利)に対しては国も危機感を強めており、近年大きなメスが入っています。
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