メタイエさんはこのほど、国際パン職人・パティシエ連合による「世界最優秀パティシエ」を受賞した。
女性がこの賞を受賞するのは、92年の歴史で初めて。
だが、メタイエさんは自らが制作するケーキにはやりや低脂肪を取り入れたりしない。
メタイエさんはAFPの取材に応じ、「バター、グルテン、卵を使用したケーキが好き」と話した。「うそをついてはいけないという主義に基づいてケーキ作りをしている。人がケーキを食べるのは楽しみのためだ」
良質で風味の良い素材を使えば、自然と砂糖の量を減らすことができるという。
重要なのは正確さとちょっとした工夫で、とっぴなアイデアではないと指摘する。「これまで誰も作ったことがない、信じられないほど素晴らしいレシピを考えているわけではない」と言う。
「直観と、すべてを計量し、計算するミリ単位での正確さが鍵だ。最後の一かけらの味まで再現できるように、マイクロスケールを使っている」
■「ガラスの天井はない」
パン職人として修行を積んだメタイエさんは15年前に独立した。フランスのブランジェリーは男性優位な業界で、参入は難しいと感じたからだ。
パティシエへの転向は「それほど容易ではなかった」が、忍耐強く取り組んだ。ヤニック・アレノ氏やアマンディーヌ・シェニョ氏ら一流シェフの営むミシュランガイドの星獲得店で経験を積み、パティシエ最高峰の賞を受賞するまで至った。
レストランガイド本「ゴ・エ・ミヨ」のマルク・エスケール氏は、メタイエさんについて「現代の製菓のすべてを象徴し、業界全体をまさに前進させている」と評価した。
メタイエさんは3年前、自身の事業を立ち上げるため、大規模な工業地帯に引っ越した。無駄を省き、顧客の要望に直接応えるためだという。
メタイエさんは幼い娘2人とケーキを作る動画を投稿している。「女性シェフで実業家でも、幸せな家庭を築くこと」は可能だと伝えたいと話す。
メタイエさん横では、スーフェス(副製菓長)のリュシー・マルタンピエラ(Lucie Martin-Pierrat)さん(30)が、マンゴーとパッションフルーツのパブロワとタルトタタンに仕上げを施していた。
マルタンピエラさんは「女性シェフが率いる結束の強いチームの存在は、パティシエになったばかりの若い女性の励みになる。こうした光景はどこにでもあるわけではないから」と話した。
パティシエのマチルド・ジャンヌさん(27)は「刺激を受けている。ガラスの天井はないと分かった」と話した。
https://www.afpbb.com/articles/-/3496473?cx_part=top...
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