「脂質」というと「摂りすぎてはいけない」などの先入観が働く方も多いのではないでしょうか。
しかし、脂質は私たちの体内でとても重要な働きをしています
動物たちは、寒い冬に向けてたくさんの脂質を蓄えて冬眠に備えます。
生命を維持し、いざという時に助けてくれる脂質。
脂質を正しく知って、良質な脂質を適正に摂る習慣を身に付けましょう。
2020年改訂の日本人の食事摂取基準によると、「脂質は水に不溶で、有機溶媒に溶解する化合物である」
とされています。
それではまずは脂質の働きについて紹介します。
・細胞膜やホルモンを作る材料になる
・体温を保持し臓器を守る
・脂溶性ビタミンの吸収を促す
・脳や神経系の機能を保つ
・免疫系や内分泌系などの細胞のレセプターになる
・身体を動かすエネルギー源になる
脂質を無駄に減らしてしまうと、このような働きができなくなるため、
適度に摂取することが必要です。
特に脂質1gあたりのエネルギー生産量は、炭水化物やたんぱく質に比べて2倍以上なので、
きちんと摂ることで効率的なエネルギーの源になってくれます。
脂質というと肥満や生活習慣病のリスクを連想しがちですが、人間は脂質を体内に蓄積することができる
能力を備えていたからこそ、祖先は多くの飢饉や飢餓を乗り越えることができたと言われます。
エネルギー貯蔵以外にも身体の調子を整える働きもあり、脂質はなくてはならない栄養素です。
中でもコレステロールは、脳神経や筋肉の働き、細胞膜やホルモンの生成に不可欠な物質です。
コレステロールは体内(肝臓)で合成できる脂質であり、食事から摂取されるコレステロールは、
体内で作られるコレステロールの7分の1から3分の1であることが知られています。
食事から摂取されるコレステロールが少ないと体内で作られるコレステロールが増加し、
逆に食事から摂取されるコレステロールが多いと体内で作られるコレステロールは減少します。
よって、食事から摂取されたコレステロールの量が、そのまま血液中のコレステロール値に
反映されるわけではありません。
返信する