「肉も野菜も安い!」ドラッグストア絶好調の理由
物価高で高まる存在感、買収で生鮮食品も導入
https://toyokeizai.net/articles/-/75267... 「ディスカウントを強化した食品と雑貨が大きく伸長し、その集客効果で医薬品や
化粧品も売れている」ドラッグストア業界4位・コスモス薬品の横山英昭社長は足元の
好調な業績をこう分析する。食品の売り上げ構成比率は約6割と高い。
郊外で大型店を展開し、価格攻勢で周辺スーパーの客を奪いながら成長している。
「ポイントカードやキャッシュレス決済がない分、価格を安くしています」。
店内に掲示されている通り、コスモスは基本、現金払いだ。「毎日安売り」を
強固なものにするためにローコスト経営を徹底している。
特売もポイントカードもないが、いつ来ても安い価格で買い物ができる店作りだ。
セール時に値札を切り替える手間もなく、人件費も抑制できる。
ドラッグストアへの生鮮食品の導入は難しいとされてきた。鮮度管理等のノウハウに
乏しく、廃棄が大量に発生するリスクがあるからだ。実際、多くのドラッグストアは、
まだ生鮮食品が充実しているとは言えない。
クスリのアオキは、この課題を買収で解決しようとしている。2021年5月期以降、
地場スーパーを軸に12回のM&Aを実行。買収先の生鮮食品のノウハウを社内で共有し、
各店舗で鮮度管理のレベルを向上させた。クスリのアオキも、以前はコスモス薬品など
競合に客を奪われ、厳しい状況に追い込まれていた。打開策として選んだのが集客力の
高い生鮮食品の導入だったわけだ。「3年前の業績悪化から立て直すため、思い切って
生鮮食品を導入した。競争力は戻りつつあり、この方向で間違っていなかった」。
好調な決算を受けて、青木宏憲社長も自信を見せた。
ほかにも、神奈川地盤のクリエイトSDHDや岩手地盤の薬王堂HDなど、
食品軸の「毎日安売り」を掲げるドラッグストアが軒並み業績を伸ばしている。
物価高の中でドラッグストアの存在感は一層高まっている。生鮮食品を扱うための
人件費や廃棄などのコスト増を吸収しながら、成長を続けられるかが
今後のポイントになりそうだ。
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