●日本人の6人に1人は偏差値40以下、5人に1人しか役所の書類を申請できない…
“見えない格差”をつくった知識社会のザンコク 『バカと無知』より
PIAAC(国際成人力調査)はPISA(学習到達度調査)の大人版で、
OECD加盟の先進国を中心に、24カ国・地域の16~65歳約15万7000人を対象に、
2011~12年に実施された。
ヨーロッパでは若者を中心に高い失業率が問題になっているが、その一方で経営者から、
「どれだけ募集しても必要なスキルをもつ人材が見つからない」との声も寄せられていた。
プログラマーを募集したのに、初歩的なプログラミングの知識すらない
志望者しかいなかったら採用のしようがない。
そこで、失業の背景には仕事とスキルのミスマッチがあるのではないかということになり、
仕事に必要な「読解力」「数的思考力」「ITスキル」を実際に調べてみたのだ。
PIAACの問題はレベル1から5まであり、レベル3は「小学校5年生程度」の難易度とされている。
「読解力」のレベル3の問題例では、図書館のホームページの検索結果を見て、
「『エコ神話』の著者は誰ですか」という問いに答える。
あまりに簡単だと思うだろうが、正解するためには、問題文を正しく読めるだけでなく、
「検索結果をスクロールし、そこに該当するものがなければ『次へ』の表示をクリックする」
というルールに気づかなくてはならない。
この問題に正答できない成人は日本では27・7%で、3~4人に1人になる。
レベル4の問題では、150字程度の本の概要を読んで、質問に当てはまる本を選ぶが、
日本では8割近い(76・3%)成人がこのレベルの読解力をもっていない。
ツイッターの文字数の上限は140字なので、5人のうち4人は書いてあることを
正しく理解していない可能性がある。
「数的思考力」のレベル3は立体図形の展開で、日本の正答率は62・5%だ。
レベル4は単純なグラフの読み取りで、ビジネスでは必須の能力だが、
このレベルに達しているのは日本人の約2割(18・8%)しかいない。
「ITスキル」のレベル3では、メールを読んで会議室の予約を処理する。
事務系の仕事では最低限必要な能力だと思うが、日本人でこれをクリアしたのは
わずか8・3%だけだ。
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